常識のこれから。

先日、大学時代の友人と久しぶりに話をしていて、ほえーと思いました。

彼女はロンドン在住で、フランス人と結婚をし半年前に出産したばかり。

話の中で驚いたのは、子育ての「常識」が日本と全然違うこと。

例えば、

– 母乳で育てるお母さんは、肉をがんがん食ったほうがいい。
これ、確か日本だと野菜、魚、油の少ない肉類推奨って感じだと思います。日本の一般的な母親向けの食事だと母乳が薄くて、赤ちゃんが満足出来ず、ぐっすり眠れないと病院の人に指摘されたそう。(ちなみに搾乳して検査時に、コンナノ砂糖水ヨ!モット肉タベナサーイ!と言われたとか・・・)

– 寝室は別。
日本だと、ベビーベッドを隣に置いて夜通し一緒に寝るのが一般的だと思います。モニター付けて寝るのだそう。

– 就寝時に泣きだしても、基本放っておく。
もちろんやれることは全てやった上で、ですが(オムツとかミルクとか)。日本の場合は、泣いているのを放置するのは基本的に良くない(親が寝れずに困るというのもありますが、赤ちゃんが困っているのに助けないと愛情を感じられない子に育つと言われています)。

これだけでなく他にも色々。で、結果として夜はぐっすり、朝はニッコリ笑って起きだすような感じで、すくすくと元気に育っているそうです。

これはあくまで一例ですし、日本とヨーロッパの子育ての優劣をつけたいわけではありません(例えば、そもそも赤ちゃんと部屋を分けたくても日本の住環境だとそんな部屋数ないよとかありますし)。ただ彼女は日本人なので、日本の育児書や実母の指示に従って当然、最初は授乳や寝かしつけをしていましたが、日本と違うやり方をしても全然うまくいくので、実母ともどもびっくりしたそうです。

要は日本で常識とされていること以外(極端な話タブーとされていること)でも、全然うまくいく方法があるのだな、ということです。

しかも、欧米がみんな同じかというとどうやらそうでもなく、アメリカ、イギリス、フランスでもそれぞれ全然違うみたいで、それを書いた本が結構売れてたりするそう。

French Children Don’t Throw Food by Pamela Druckerman – review

個人的に興味を持ったのは、なぜこんなにも子育ての「常識」が国によって違うのか?ということ。

1. 科学的な検証がしづらい(= 全員にとっての正解がない)
赤ちゃんが大きくなるまでに時間が掛かりますし、赤ちゃん相手に実証実験とか出来ませんしねえ・・・

2. 文化的な価値観が違う。
ご主人のご両親に言われたのが「Baby joins the family. Not the other way around.(カジケン意訳:赤ちゃんに親が合わせるのでなく、親のやり方に赤ちゃんをしつける。)」だそうで、日本の一般的な感覚とはだいぶ違いますよね。

3. パーソナルな事柄のため、情報共有が起きにくい。
自分と価値観が同じ人にしか、パーソナルなことってなかなか話せませんよね。

ぱっと思いつくだけで、少なくともこれぐらいはありそうです。

で、思うのは、今まで距離や文化の壁に阻まれていて今まで共有されてなかったコミュニティ毎の常識がもっとどんどん外に出てきて、がんがん共有されて欲しいし、実際そうなっていくのかな、と思います。

なぜかというと、そのほうが、

全体の質が上がる。

自分に合う情報が入手しやすくなる。

からです。

例えば家庭料理。

1. 味は、唯一無二の正解がない。

2. 各地域での文化的な背景や伝承が色濃くあった(郷土料理や関西、関東での味付けの違いなど)。

3. 各家庭内のレシピは、基本的には家庭内やごく親しい友だちの中でしか流通してなかった。

レシピ検索サイトであるクックパッドは、それまで各家庭の中にあったレシピを一気に全国に共有し、日本全体の家庭料理の質を底上げしたと思います。(早くグローバル版も作って欲しい!)

同時に、膨大かつ多様なレシピがWeb上で一括して検索できるようになったことで、自分にピッタリ合ったレシピを今までよりも遥かに簡単に見つけやすくなったでしょう。

全く同じ形ではないにしても、こういうことって他の分野でも当然色々と起きてきそうですよね。(言語の問題はありつつも)ネット環境などのインフラはグローバルに整いつつあるので、あとは各種サービスが出てくるのを待つばかりかも。

色んな地域やコミュニティで持っている様々な常識(やベストプラクティス)が、グローバルに共有されて、自分にピッタリ合うものが見つかるような世の中に、早くならないかなっと!

そんなんもういっぱいあるわ。例えばこんなサービスあるよ!とかあったら、ぜひぜひ教えて下さいませー。




ちなみにカジケンの会社、絶賛エンジニア募集中です!(笑)