大変遅ればせながら、あまちゃんを観始めました。NHKオンデマンドで第1話からコツコツと進んでおります。
いやー、あまちゃん噂に違わぬ面白さですな!
まだ最新回まで追いついていないのですが、毎回続きが気になってついつい次の回へと止まらなくなります。
昔は、家にいる間はテレビつけっ放しが当たり前というぐらいテレビっ子だった自分が、テレビ自体を全く観なくなって、はや6年あまり。NHKの連ドラにいたっては、もしかしたら小学生以来観てなかったかも。
クドカンの脚本や、キャスティングの妙など、そもそもコンテンツの質が高いというのは当然あります。とはいえ、最近はどんなにテレビドラマが周りで流行っても、録画・DVD問わず全く観ようとは思わなかった自分がなぜ観ようと思ったのか、そして観続けているのか。
ちょっと考えてみたのですが、私個人で言えばざっくり3つぐらいの理由がありました。
その1. ソーシャルメディア上でやたらと「あまちゃん」への言及を目にする。
元々観ようと思い始めたのが、あまりにFacebookやTwitterで「あまちゃん」の話が出てくるから。テレビを観なくなった自分にとって、この刷り込み効果は大きかったです。
というか、あまちゃんは基本的に(日曜日を除く)毎日放映されているため、結果としてその日の放送を見て、あまちゃんについてつぶやいたりコメントしたりする人を目にする頻度がめちゃ高い。実質的に毎日じゃないでしょうか。
ザイオンス効果と呼ばれたりもする「人間の、ある対象への好感度は、その対象との接触回数に依存する」という研究がありますが、これだけ何度も色んな人が言っているのを目にすればちょっとは観てみようか、という気になろうというものです。
接触回数と好感度の関係について : NED-WLT
その2. アーカイブがいつでも観れる。
ま、当たり前ですが。今ではどの局もやっていますが、現在放映中のドラマでも第1話からオンデマンドで観れるのはやっぱりいいですね。
その3. 一話が15分完結である。
今回これが一番大きかった。
まず最初の取っ掛かりとして、15分だったらとりあえず一話ぐらいは観てみようかなという気になりました。YouTubeも一つの動画の長さが最大10分なのでその感覚に近いかも。
逆に言うと、45分や1時間とかだったら観ていなかったと思います。実際今までのテレビドラマを観なかったのは、それが原因。
あと、一話の単位が15分だとちょっとしたスキマ時間で観れます。15分だからこそ「あ、今ちょっと時間あるから次の回を観てみよう」となる。それこそ友達に薦められたYouTubeの動画をさらっと観るみたいな感じで。
これが45分とかだったら、例えば会社の昼休みをほとんど使っちゃうわけでかなりの決断になるし、この違いは大きい。
そもそも、映画館のようなスマホ利用を禁止されている場所以外で、1時間近くも一つのコンテンツを受動的に鑑賞し続けるということ自体が、なかなかしんどい感覚になりつつあります。(読書は能動的な行為なので別です)
あとアーカイブをパソコンやスマホで観る際に、もし45分だとその間にLINEやFacebookでメッセが飛んできたりして、きっと気が散るな、と。そういう意味でも15分で1話完結って、(朝の連ドラはたまたま15分なのだけど)絶妙な時間の長さだと思います。
・・・
そんな感じで、あまちゃんを観ながらつらつらと考えていましたが、
もうテレビドラマってNHKの連ドラみたいに、一話15分でいいんじゃないの?
民放で言えばCM入るのが15分間隔ぐらいだし、CM後も観てもらうために続きが気になる演出をしていることが多いだろうから、結局その15分を一話にしちゃえばいいのに。
テレビ離れが進んでいるのって、
スマホの普及による消費者の余剰時間(特にまとまった単位の時間)の減少と、
海外ドラマや、YouTube、ニコニコ動画などの(動画コンテンツという意味での)強力なライバルの台頭、
この2つが大きいと思います。(テレビ番組全般で言えば、予算縮小によるコンテンツの相対的な質の低下のプレッシャーにも晒されていると思いますが、テレビドラマ単体ではよく分かりません)
分かってない!尺が変わることで、表現手法が変わるんだ!45分番組を3分割すればいいみたいな、そんな単純な話ではない!とか、広告が取れなくなる!とか、きっと色々制作側にはロジックがあるのだと思うのですが、観る側としては関係ないんですよね・・・
それこそかつて映画産業が、立ちあがったばかりのテレビ産業を最初は馬鹿にしてたみたいな感じに近いのでは、と思います。
結局のところ、消費者の利用動向に合わせて、コンテンツの形態も変わるべきでしょうし、もし旧来のままに固執するなら、少なくとも離れていってしまった人は戻らない。
ちょっと気になって、民放各局のアーカイブサイトやNOTTV(スマホ向け放送局)をのぞいてみましたが、やっぱり30分から1時間番組ばっかり。
逆に今回、一話15分完結でも(テレビドラマから一旦離れた人を引き戻すぐらい)人を夢中にさせる面白いものは創れる、ということを、あまちゃん制作チームが証明しているわけですよね。
ソーシャルメディアを活用して番組プロモーションをもっと頑張ろう!みたいな話も大事だと思いますが、コンテンツのあり方そのものを今一度見つめ直す時期なのかも知れません。
・・・
きっと昔も今もドラマ制作に関わる人たちの情熱や愛情は同じはずだし、素晴らしい作品も変わらず生まれてきているのでしょう。
だからこそ少なくとも元テレビっ子としては、今の時代に即した新しいコンテンツの形態がテレビから出てきて、じぇじぇじぇ!と驚かせて欲しいなぁ、と思います。
さて、あまちゃんの次の回これから観ようっと!
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