ノーポチ、それは人生を変える言葉:マラソン中毒者(小野裕史)

世の中には異常値というか、まーもっと直接的に言ってしまうと、「変態」としか呼びようがない方がいらっしゃいます。

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IT業界で有名な方の1人に、小野 裕史さんという方がいます。

↓小野さんのブログ
今日、かけがえのない一日を刻めたかい – 小野 裕史のブログ

自ら事業家として活躍したあと、サンシャイン牧場や、グルーポンの起ち上げなど、経営にも直接携わる投資家としても実績を残し、毎年2回IVSというスタートアップ向けの有名なイベントなどを主催している1人です。

基本的に世界中を飛び回るめっちゃ忙しい人。なのにも関わらず。

北極をフルマラソンで走ったりしています。

忍者のコスプレで。(注:他の参加者は普通の格好です)





南極を100km走ったりしています。

忍者のコスプレで。(注:他の参加者は普通の格好です。しかも2位。)





北極点に忍者刀を突き刺したりしています。

もちろん、忍者のコスプレで。

ん?

もしかして?


ただのアホですよね?


というか、絶対に・・・


ア ホ で す よ ね ?


すいません。変態じゃなくてアホでした。

しかも今では自分自身だけでなく、今では色んな人を誘って、フルマラソンや100kmマラソンにがんがんエントリーさせて、自分も一緒にコスプレして並走したり、ハイテンションランといって毎朝都内をハイテンションで練習ランニングをするという、暴れっぷり。

でも小野さんが凄いのは、

3年半前まで、「一切運動したことがない人」だったことです。

しかも走り始めたきっかけは、ダイエット目的のWii Fitのランニングです(室内でリモコン持って走るやつ)。

それが、たったの4ヶ月でフルマラソンを完走し、二年でゴビ砂漠250km、三年で北極フルマラソンと南極100kmマラソン完走。

いやいやいやいや。それは無理だわ。アホっていうか天才でしょ。

違うんです。小野さんみたいに誰でも北極や南極で100km走れるようになる!と言いたいわけではないんです。

それには元々持っている才能もきっと関係します。

そうではなくて、

「人はだれでも変われる」ということです。

例えば、小野さんは学生時代は今で言うコミュ障でした。

小野さんの中高の同級生が私の友達にいるのですが、

「ほんとに、(こんなにマラソンしたりネアカのように喋ったりしている)今の姿がいまだに信じられない・・・」

と口にするのを何度も聞きました(笑)

小野さんは、この点について著書でこう書いています。

「どうせなんだってデキる人なんでしょ?」と誤解されがちだが、もともと僕はこんなんじゃなかったのだ。

小さい頃の僕は、成績表の「運動の技能」で「上中下」の「下」をつけられるほどの運動音痴(今も、フットサル出場3分で怪我で退場するほどの運動音痴だが・・・)であるばかりか、「話す技能」でも「上中下」の「下」だった。

小学生の頃、担任の先生に呼び出された母親が、泣いて帰ってきたことがあった。

「普通のお子さんが100喋れるとしたら、お宅の裕史さんは、20も喋れません」

そう、担任の先生より通達されたのだ。

あまりに内向的で、自分の感情が表現しきれなかったのか、小学校の3〜4年生時代では、登校拒否を起こし入院していたほどである。

それが、今では100人以上の人前で自分のチャレンジにマシンガントークでアツく講演で語ったり、数百人を前にしたカンファレンスで話せる人間へと変わってきている。母親は「宇宙人にさらわれて、アタマにヘンなモノ埋め込まれた」と言っているが、もちろん、いきなり激変した訳ではなく、様々な人に出逢う中で、ひょんな縁で「自分もあんな人間になりたい」と思える友人らに巡りあい、夢中になって彼らの背中をただ追いかけているうちに、少しずつ心を開き、人と喋れる人間へと成長し、飲み会では誰よりも喋り周りを盛り上げなくては気が済まないほど騒がしい人間にまで変わってきた。

小さなキッカケでも、「ココロの羅針盤」の針が動いたら、まずは動いてみる。「できるかどうか」ではなく「まずは、やってみる」。

結果、コケたり失敗も増えてしまうかもだけど、その分学びのチャンスだって得られる。動かなければ、見える景色は変わらないままだけど、動いてみれば「こっちは何だか違和感がある」「コッチはひょっとしてイイかも」などと、自分の進みたい方向が徐々に見えてくる。

マラソン中毒者(ジャンキー)p264~265より

 

 

小さなキッカケでも、「ココロの羅針盤」の針が動いたら、まずは動いてみる。「できるかどうか」ではなく「まずは、やってみる」。

ではどうやって?

それを小野さんは「ノーポチ」と呼んでいます。ノータイムポチリの略だそうです(笑)

いつしか、僕の周りでは、思いついたノリで、深く考えずココロのままに「ポチっ」と何かにエントリーしたり、購入したりしてケツを決めてしまう行為を「ノータイムポチリ」と呼ぶようになっていた。

マラソン中毒者(ジャンキー)p.24より

小野さんが南極マラソンで2位になって戻ってきたお祝い会にお邪魔したことがありますが、飲みながら参加者がパソコン開いて、その場で次々とフルマラソンとか100kmマラソンにエントリーしていくんですよね。しかも聞いたら、みんなそれぞれ、フルや100kmは初体験だったりするんですよ。

でもみんな「ノーポチ!」と笑いながら、とりあえず申し込んでから考える!とばかりにがんがんその場で自分にとって無謀とも思える新しいチャレンジに飛び込んでいく。

小野さんの周りはそうやって、ココロが動いたら、とにかく動く。そうやってどんどん新しい世界を切り拓いていく人がたくさんいます。大半は、きっと小野さんに影響されて(笑)




 

 

人間の頭脳というのは、ある意味超高性能なコンピュータみたいなものですが、これってマイナスにもプラスにも動きます。

追い込まれるまでは、「出来ない言い訳」を探すことに全力で働き、ポチっとエントリーしてしまったら、もう後戻りできないので、「どうやったら出来るか」を全力で探しだす。

アタマのスイッチを180度切り替えるみたいなもんです。

本を読めば分かりますが、小野さんだってめっちゃビビってるんです。無茶なチャレンジを公言したあとに、がっつり後悔とかしてます。でもそれを繰り返して、自分の能力の限界値をどんどん書き換えていって、自分を、人生をがんがん変えてきた。

ちなみに以前も書きましたが、イーロン・マスクだってビビるんです。

イーロン・マスクが語る、失敗する恐怖にどう対応するか? | カジケンブログ

でもそこから逃げてたらいつまで経っても何も変わらない。受け止めて乗り越えていくしかない。

よく自分が何をしたいか分からない、とか、燃えるものがないんです、という人がいます。

小野さんは南極から帰ってきたとき言ってました。

「そんなの、動いてみないと何も分からない」

「動くことで、景色(視点)が変わる」

「心の羅針盤が指してくれるのはゴールなんかじゃない。方角だけ。」

そうなんですよね。

ついつい、自分がやりたいこととか、情熱を傾けられることって、見つかったら永遠に変わらないものって思い込んじゃいますが、動いてみて見える景色が変わる中で、どんどんゴールって変わっていく。

だけど、方角は分かる。

だから、心が動いたとき、羅針盤が反応したときに、それを無視せず、恐れず、その方角に一歩踏み出すこと。そこから見える景色がきっとある。


“There is no passion to be found playing small in settling for a life that is less than you are capable of living.“

Nelson Mandela

”自分の力を限界まで出さずにちいさくまとまって人生を楽しむ。そこには情熱は生まれないよ。”

ネルソン・マンデラ

だからこそ、自分がちょっと無理かも?って思うことでも、恐れに囚われて動けなくなる前に、思い切って踏み込んでみる。

それが、ノーポチ、なんですよね。

心の羅針盤。心が指し示す方角を確認する一番シンプルな一歩。

踏み出したら、きっと戻れない。

でも心が反応しているなら。一歩踏み出してみよう。

あなたのノーポチはなんですか?

P.S.

小野さんは今、色んなところで講演をしています。もしこのエントリーに少しでもココロ動くものを感じるなら、機会を見つけて絶対に一度話を聞いてみることを強くオススメします。

本もめっちゃオススメ。

さぁ、迷ってる暇があれば、ノーポチですよ!(笑)






ちなみにカジケンの会社、絶賛エンジニア募集中です!(笑)