人によっては分かりきっていることですが、自分への備忘録も兼ねて。
先日、ジャカルタで仲良くなった友人が数週間東京に滞在していたので、会っていろいろと話しをしました。
初めて訪れた東京の洗練度合いへの賞賛と、日本人の優しさに対する感動をしばらく聴いたあと、
「じゃあ、ガッカリしたことはある?」
と、ちょっとイジワルな質問もしてみました。
彼女はしばらく考えたあと、
「自分と歳が近い若い人達(20代)に活気がなくて驚いた。」
と。
みんなものすごく優しいし、素敵な人達ばかりで、会う人会う人大好きになった。けれど、平日はみんな仕事に疲れていて、話を聞いても仕事がつまらないという愚痴ばかり。景気も悪いし、他に良い仕事が見つけられる自信もない云々。彼女の国ではそんなことない。問題もたくさんあるけど、若い人はみなとても活気があると。
一言でいえば、日本の閉塞感についての感想。「ほー、やっぱり日本の外から見てもそう映るんだなぁ」と感じました。どれも色んなメディアや識者の発言などで言われていること。今回私がいまさら日本の閉塞感について何かコメントするつもりはありませんし、彼女が仲良くした数人の話を、日本人の若者全体に当てはめてどうこうというつもりもありません。
今回面白かったのは、友人である彼女の体験談を直接聴いたことで、自分の中でスイッチが入ったという感覚があったこと。なるほど!やっぱりそうなんだな、じゃあ俺自身はこの閉塞感に対してどう対応しよう?(私がどうするかは今回の記事の本筋ではないので置いておきます。)
この感覚を勝手な呼称で恐縮ですが、
他人事(たにんごと)から自分事(じぶんごと)になった。
と呼んでいます。
世の中には色んな情報が溢れかえっています。
現状の私たちに関係する社会的な問題について、きちんと意識さえしている人であれば、今の時代その問題についての概略と個人としてどう対応すべきかは、知識としては持っているはず。
たとえば、
グローバル化とか言われてるし、英語勉強しなきゃ・・・
みたいな話はよくあります。
しかし、マスメディアにしてもソーシャルメディアにしても、目に触れるこういった情報を頭では理解していても、なかなか行動に繋がらない(この例では英語を真面目に身につける)ことはよくあります。
これってなんでかというと、当たり前のことですが、グローバル化というものが知識のレベルで止まっているから。
1. 知らない → 2. 知識(他人事) → 3. 個人的な体験(自分事)→ 4. 行動
パソコンのソフトに例えるなら、他人事はDLしてきた圧縮ファイル。伝達力を高めるために情報が圧縮されている状態。だけど自分にインストール(行動につなげる)しようと思ったら、解凍(個人的な体験)しないとダメ、みたいな感じでしょうか。
ちなみに行動力がある人というのは、2から3と、3から4への移行が異常に早い。
想像力がある人は2から一気に4にいける人だと個人的に考えています。
気をつけないと、自分も含めて意外と多くの人が、2で留まってひたすら関連する知識を貯めこんで3に移らないか、無性に不安になっていきなり3をすっ飛ばして、4に行こうとする(語学教室通うとか)。でも、結局続かない。なぜかというと、知識レベルだと最初のモチベーション高い状態が過ぎたあとは、日常の様々なことに流されちゃうから。
2の知識のフェーズに来て、行動しなきゃいけないと感じる時があったら、まずは3の個人的な体験をなるべく早くしたほうが良いと思います。
例えば、上記で出てきた友人はこの前インドネシアの大学院を卒業したばかりです。
私は新興国と言われる国に観光ではなく訪れるのは初めて。まーお手並み拝見と、彼女にジャカルタでカンファレンスのサポートをしてもらったのですが、超優秀。アメリカ留学の経験もあり、英語はペラペラ。前の会社で新卒採用の面接を何十人もしてきましたが、もし彼女が受けてきたら間違いなく即採用レベルです。でも、彼女が母国で給料もらうとしたら、日本の1/10。日本語が現時点で出来ないことを差し引いても差がありすぎです。
(そら、日本人の給料に対して下降圧力掛かるわけだ・・・)
と、本当にその時実感しました。
グローバル化によって、新興国と先進国の格差が縮まっていくことは、当然知識としては知っています。
だけど、それはあくまで知識であってやはり他人事。
それが、ジャカルタで彼女に出会うという個人的な体験によって、一気に自分事に変わったわけです。
ヤバイヤバイヤバイ。じゃあ、自分はどうするどうする?
英語をもっとブラッシュアップさせるか?
第二外国語として中国語を学んでトリリンガルを強みにするか?
言語以外の部分を磨いて国内向けに差別化できないか?
・・・
ウオオオオオ!!ヤバイイイ!!
別に行動の選択肢自体に目新しいものはありませんが、他人事の情報よりも切迫感が段違い。あっという間にアクションプラン決めて動き出したのは言うまでもありません。
他人事は、なるべく早く自分事にする。
今回の例が適切かどうかは分かりませんが、知識として知っていたことを、「なるほど!そういうことなのか!」と自分の体験で再確認することは、これからも意識しておきたいなぁ、と思っております。
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