【告知】三島由紀夫賞を受賞した従兄弟とトークイベントします!

いとこのタカヒロくんと12月16日(水)に下北沢でトークイベントをすることになりましたー!

上田岳弘×梶原健司
「三島賞受賞作家と注目のIoT起業家が語る〜インターネットに繋がるモノは純文学の夢をみるか?テクノロジーで広がる家族観・人間観〜淡路島からやってきた従兄弟同士によるこれからの話」

http://bookandbeer.com/event/20151216_bt/

最新作の舞台はなんとカジケンの実家もある淡路島ということで、いやー、淡路島のばーちゃんの家で遊んでた子どもの頃に、まさか淡路島絡みでこんなイベントをすることになるとは夢にも思いませんでしたな。でも作品を読んでも、考えてることがとても近いのがはっきり分かるので何というかやはりいとこだなぁと思っております。なんつって!なんつって!

https://ja.wikipedia.org/wiki/上田岳弘

先日mixiの笠原さん、engadget津田さんと同じ場所でイベントさせてもらった際に、「あの人、もっと話したそうだしおもしろいこと言いそうなんで是非もっかいやってください」というB&Bさんのご厚意での企画です。お、おう。いやでも感謝ですm(_ _)m

時空を軽々と超えて、人類の行く末や宇宙まで見通す壮大なビジョンを果敢に紡ぐ、と紹介されたりしているタカヒロくんとどんな話が出来るか、今から楽しみであります。お酒が飲める場所なのでかなりぶっ飛んだ話になるのはまず間違いないでしょう。年の瀬でお忙しいとは思いますが、まー忘年会的なノリでご興味ある方はぜひ〜。ブログ書けてない分、思いの丈を放談したい所存でございます。
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(この告知バナーは私がつくったものではありません。この告知バナーは私がつくったものではありません。大事なことなので2回言いました。)

上田岳弘×梶原健司
「三島賞受賞作家と注目のIoT起業家が語る〜インターネットに繋がるモノは純文学の夢をみるか?テクノロジーで広がる家族観・人間観〜淡路島からやってきた従兄弟同士によるこれからの話」

http://bookandbeer.com/event/20151216_bt/

カジケンがブログも書かずにずっと温めていたもの。

今年の元旦に記事を書いて以来、9ヶ月ぶりの投稿です(笑)

現状を打破しようとする全ての人に捧ぐ。ジョブズ最高のプレゼンテーション。 | カジケンブログ

あまりのバタバタで、月曜日の発表から数日経ってしまいましたが、ずっと準備していたサービスを、やっと公表できる運びとなりました。

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スマホで撮って実家のテレビへすぐに届く!IoTサービス「まごチャンネル」 | クラウドファンディング – Makuake(マクアケ)

きっかけは、完全に個人的な理由からです。

ソーシャルメディアのおかげで、たとえ海外在住の友達だろうが、昨日ランチにラーメン食べてたみたいな、昔だったら知り得なかったようなささやかな日常を、毎日のように知ることができるようになりました。10年ぶりに会った友達でも「なんか全然久しぶりの感じせえへんな!!」みたいな経験って誰しもあると思います。

カジケンの実家は兵庫県の淡路島です。高校卒業まで一緒に住んでた祖父母にとても可愛がられました。特に大好きだった祖父からは私の長男の名前に同じ字をもらったぐらいです。

残念ながらふたりともすでに他界していますが、東京在住の私の子どもと実家の両親は、孫と祖父母の関係になります。そしてとても私の息子たちを愛しています。まさにかつての私が実家でずっとその愛情を感じていたときのように。

でも淡路島には年に1〜2回しか帰省できません。でも、一緒に住むのは難しくても、孫の姿を、日常をもっと身近に見せてやりたい。ずっとそう思ってました。

え?世の中いろんなサービスあるやん? それ使ったらええやん?

もちろん、ありとあらゆるサービスを使ってみました。でもどれもスマホやタブレット、パソコンが前提で、なかなか実家の祖父母には馴染めない。もちろんばりばり使いこなす人たちもたくさんいます。それはとてもとても良いことだと思います。でも自分達に馴染みがあるもので安心して使いたいという人だってたくさんいると思います。じゃあ、彼らの世代にとってのスマホってなんだろう?





それは、テレビでした。

私が仲間とつくっているものは、実家のテレビに孫専用のチャンネルが追加される『まごチャンネル』というサービスです。

親側は専用スマホアプリで子どもを撮影するだけです。自動的に実家のテレビに転送されます。写真だけでなく、動画も!(間違って送ったものはちゃんと消せるから、ちょっぴり悪いオトナも大丈夫だよ!)

実家は受信ボックスをテレビに繋ぐだけ。まごチャンネルが追加されます。
普段使っているご実家のテレビリモコンでそのまま操作ができるので、8chを見る、6chを見る、じゃあまごチャンネルでも見ようかな、ぐらいの気軽な感じでどんなにリテラシーが低い祖父母の方でも孫の日常をテレビで楽しむことができます。

そして端末に通信回線を搭載しているので、ネットがないご実家でも全く問題ありません。

とにかく徹底的にシンプルに、使いやすく、どんな人でも、どんな家でも、離れて暮らす家族の存在を近くに感じることができる。そんなサービスです。

へー、なんとなく分かったけど、テレビに映るぐらいでそんなに喜ぶんかいな? サプライズでご実家にお邪魔したときの動画を、ぜひご覧になってください。



人がテクノロジーに合わせるのではなく、テクノロジーが人に寄り添う。

このサービスがきっかけとなって、すこしでも多くの家族が近くなりますように。

がんばります!!!応援いただけると嬉しいですっ!!

カジケン拝

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スマホで撮って実家のテレビへすぐに届く!IoTサービス「まごチャンネル」 | クラウドファンディング – Makuake(マクアケ)

現状を打破しようとする全ての人に捧ぐ。ジョブズ最高のプレゼンテーション。

故スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションと言えば、伝説的なものがいくつもあります。

2007年の初代iPhoneの発表や、2005年のスタンフォード大での講演などは有名ですし、人によっては1984年のMacintosh発表を思い出す方もいるでしょう。

しかし自分にとっては、1997年のThink different. キャンペーンの社内向け発表のプレゼンが一番心に刺さります。(これまでに何百回と観ているので、プレゼンを一字一句完コピしてしまいました。飲み会の余興などでやりまっせ・笑)

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そこにはAppleの発表会ですでに馴染み深いものとなった、聴衆の熱狂もスタンディングオベーションもなく、ジョブズの満面の笑みもありません。そもそもスライド自体が一切なく、製品発表ですらありません。

Apple本社内の数百人しか入らないタウンホールで、新しい広告キャンペーンについて社内の人間に対してジョブズが終始真剣な表情で説明をする5分間。(実はこの前後に導入のスピーチやキャンペーンの解説があるのですが、少なくともこの部分はおそらく話す内容を事前に準備していると思います)

赤字が続き倒産まであと3ヶ月という瀕死のAppleに戻ったジョブズは、赤字を止め経営資源を集中するため、復帰前まで進行していたプロジェクトや事業のほぼ全てを中止し、直前のWWDC(世界開発者会議)では、聴衆である開発者から辛辣な質問をぶつけられたりもしています(見事に切り返すのがそれはそれで素晴らしいのですがまた別の機会に)。

倒産の危機という最悪期を脱したとはいえ、Appleという会社にとってもジョブズにとっても、先が見えない非常に厳しい状況。しかしAppleの企業としての運命が、そしてジョブズの人生が再び眩い輝きを放つべく反転を始めたのは、まさにこの瞬間からだと言っても過言ではないでしょう。

この広告キャンペーンが、社内外どちらに対してもApple復活の狼煙となり、その1年後のiMac発表を皮切りに文字通り世界一の企業へとAppleは大躍進していきます。

企業としての存在意義を世に訴えるこのキャンペーンは、ビジョン無く迷走して自信をなくしていた社内に誇りを与え、Windows 95の大成功に目が向いていた世界中のMacユーザや開発者に対してAppleのDNAを思い起こさせる契機となりました。
(そしてこのキャンペーンのCMに感動したことがきっかけでAppleに入社することになったという意味で、私のささやかな人生も変わりました。)

製品以前の問題として、そもそもなぜAppleはこの世に存在するのか。ジョブズが心から愛し自分自身を重ねあわせたAppleという会社は何を成すためにあるのか。

企業にとっても、そして個人にとっても、ジョブズがキャンペーンに込めたメッセージは普遍的であり本質的なものだと思います。

今からは想像すら難しい、企業として絶体絶命の危機からの脱却の契機となり、一連のiシリーズ(iMac, iPod+iTunes, iPhone, iPadなど)に繋がる出発点という意味で、彼の数々の素晴らしいプレゼンテーションのどれにも負けない意義があると思います。

そして企業(Apple)と個人(ジョブズ)が、文字通り社会における存在意義を根底まで問い直し、単なる製品発表を超える普遍的なメッセージを放つという意味で、このわずか5分強の時間が、現在我々が目にすることができる彼のプレゼンテーションの中で最高のものだと私は勝手に考えています。

いつもながら、意訳も含んだ拙い訳ではありますがご紹介します。


“To me….marketing is about values. This is a very complicated world, it’s a very noisy world. And we’re not gonna get a chance to get people to remember much about us. No company is. And so, we have to be really clear on what we want them to know about us.”

”私にとって、マーケティングとは我々の価値をどう伝えるかということだ。このとても複雑でノイズが多い世界で、自分たちのことを覚えてもらうチャンスはなかなか掴めない。どんな会社にとってもそうだろう。だから、会社としてどんな風に人々に覚えてもらいたいのかを、とてもはっきりとさせておかないといけない。”

“Now Apple,  fortunately, is one of the half-a-dozen best brands in the whole world. Right up there with Nike, Disney, Coke, Sony — it is one of the greats of the greats. Not just in this country, but all around the globe. But even a great brand needs investment and caring if its gonna retain its relevance and vitality, and the Apple brand has clearly suffered from neglect in this area in the last few years. And we need to bring it back.”

”今Appleは、幸運なことに、片手で数えられるぐらいのトップブランドの内の1つだ。ナイキ、ディズニー、コカコーラ、ソニーと肩を並べるトップ中のトップと言える。しかもこの国だけではなく、全世界でだ。しかしどんな偉大なブランドであっても、ブランドへの継続的な投資とケアが必要だ。そうしないと、ブランドの存在感や活力を維持することはできない。そしてAppleのブランドはここ数年無視され、明らかに傷ついてきた。我々はブランドとしての輝きを取り戻さなければいけないんだ。”

“The way to do that is not to talk about speeds and fees. It’s not to talk about mix and mega-hertz. It’s not to talk about why we are better than Windows.
The dairy industry tried for 20 years to convince you that milk was good for you. It’s a lie, but they tried anyway. And the sales were gone like this (falling…). And then they tried “Got milk” and the sales were gone like this (went up…). “Got milk” wasn’t even talking about the product. As a matter of fact, it focuses on the absence of the product.”

”ではどうやって? それはMacの処理速度の速さや価格を伝えることではない。製品の種類や性能を伝えることではない。なぜMacがWindowsより優れているかを伝えることでもない。例えば同じように酪農業界は、20年にわたって牛乳が身体に良いことを宣伝しようとしてきた。ま、良いわけないんだけどね(ジョブズはベジタリアンなので牛乳を飲まない、つまりジョーク)。とにかく彼らは顧客をそうやって説得しようとした。でも牛乳の売上は長年下がる一方だった。しかし「Got milk?」という広告キャンペーンを始めてから売上は上がり始めた。「Got milk?」は製品についてすら語っていない。実際、製品の不在についてフォーカスしているんだ。” (筆者注:Got milk?は、1993年から始まった米国での牛乳の広告キャンペーン。ただの日用品である牛乳を飲むことを、クールなイメージに変えた功績で有名。今ではテイラー・スウィフト、レディ・ガガ、ベッカムなど有名人が出演している。http://bit.ly/1JWhFjc

“But the best example of all, and one of the greatest jobs of marketing that the universe has ever seen, is Nike. Remember, Nike sells a commodity! They sell shoes! And yet, when you think of Nike you feel something different than a shoes company. In their ads, as you know, they don’t ever talk about the product. They don’t ever tell you about their air soles and why they are better than Reebok’s air soles. What does Nike do in their advertising? They honor great athletes, and they honor great athletics. That’s who they are, that’s what they are about.”

”しかし、史上最も素晴らしいマーケティングの例はナイキだ。思い出して欲しい、ナイキは日用品を売ってるんだよ!彼らは靴を売ってるんだ! でも、ナイキのことを考える時、みんな彼らのことをただの靴のメーカーとは感じないだろう。彼らの広告では、製品について語ることはない。彼らはエアーソールについて語ったり、リーボックのエアーソールよりもなぜナイキが優れているかなんて語ることはしない。では何を訴求しているか。偉大なアスリートや偉大な競技を称賛しているんだ。それが彼らが何物であるか、彼らが何のために存在しているのかを表現している。”

“Apple spends a fortune on advertising. You’d never know it. You’d never known it.So…when i got here, Apple just fired their agency and there was a competition with 23 agencies that…you know…four years from now we would pick one. And we blew that up and we hired ChiatDay, the ad agency that I was fortunate enough to work with years ago and created some award winning working including the commercial voted the best ad ever made, 1984 by Advertising Professionals. And…we started working about eight weeks ago, and the question we asked was, ‘our customers want to know who is Apple and what is it that we stand for…where do we fit in this world?'”

”Appleは広告に大金を投じている。知らなかったでしょ? 知らなかったと思うよ。私がAppleに復帰したとき、ちょうどAppleはそれまでの広告代理店との契約を切り、これから4年間の契約を23社でコンペをして一社を選ぼうとしていた。そのコンペをふっ飛ばして我々はシャイアットデイと契約した。昔、幸運にも私が数々の賞を取る仕事を共にしてきた広告代理店だ。その中には広告の専門家が選ぶ史上最高の作品である「1984」も含まれている。 そして我々は8週間前に動き始めた。そのときの我々の質問は、

「顧客が知りたがっているのは、Appleとは何者であり、我々が拠って立つものは何だということだ。Appleはこの世界でどんな役割を果たせるだろうか?」”

“And what we’re about isn’t making boxes for people to get their jobs done — although we do that well. We do that better than almost anybody, in some cases. But Apple is about something more than that. Apple at the core…its core value — is that, we believe that people with passion can change the world for the better. That’s what we believe.”

”Appleは、コンピュータというただの便利な箱を作っている会社ではない。もちろん分野によっては誰にも負けないぐらい良いものを作っているけどね。Appleとはそれ以上の何かなんだ。我々が持っている信念、信じている価値とは何か。それは、情熱を持った人間は世界を良い方向に変えることができる、そのことを強く信じていることだ。”

“And we have had the opportunity to work with people like that. We’ve had the opportunity to work with people like you; with software developers, with customers, who have done it. In some big, and some small ways. And we believe that, in this world, people can change it for the better. And that those people who are crazy enough to think that they can change the world, are the ones that actually do.
And so, what we’re going to do in our first brand marketing campaign in several years, is to get back to that core value.”

“我々はそういう人たちと仕事をする機会に恵まれてきた。ここにいる(社員の)皆さんのような人たち。そして大なり小なり世界を少しでも良いものにしようと努めている開発者や顧客の方々だ。そしてもちろん我々自身も、人々は世界をより良いものに変えていけると信じている。世界はかならず変えられる。そう考えるぐらいクレイジーな人たちが本当に世界を変えているんだ。そして、だからこそ、我々は初めてブランドを訴求するマーケティングキャンペーンを、これから数年かけて実施する。Appleが信じているこの価値に立ち戻るために。”

“A lot of things have changed. The market is in a total different place than where it was a decade ago. And Apple is totally different — and Apple’s place in it is totally different. And believe me, the products, and the distribution strategy, and the manufacturing are totally different… We understand that. But values and core values — those things shouldn’t change. The things that Apple believed in at its core, are the same things that Apple really stands for today.”

”もちろん昔とは違うことはたくさんある。市場も10年前と比べて全く違うものになったし、Appleも全然違う会社になった。そしてAppleが市場に占める位置もすっかり変わってしまった。(これは懐古主義ではないと)信じて欲しい。製品も販路も製造も全て昔とは変わったことをきちんと理解しているよ。だけど。Appleの価値は、根底にある価値は、変わっちゃいけないんだ。Appleが心から信じていること、拠って立つものは今でも同じものなんだよ。”

“And so we wanted to find a way to communicate this. And what we have is something that I am very moved by. It honors those people who have changed the world. Some of them are living — some of them are not. But the ones that aren’t, as you’ll see, you’ll know that if they’d ever use a computer it would’ve been a mac.”

”だからどうやってその価値(世界はかならず良い方向に変えられること)を伝えようかと考えた。そして出来上がったものに、私はとても心を動かされている。それは、世界を実際に変えてきた人を称賛するというものだ。何人かは生きているし、何人かは既にこの世を去った。しかし故人であっても、みんなわかってるとは思うけど、もし当時コンピュータがあったら、きっと彼らはMacを使ったよね。”

“The theme of the campaign is “Think different.” It’s honoring the people who think different and move this world forward . And it is what we are about. It touches the soul of this company.
So I am gonna go ahead and roll it, and i hope that you feel the same way as I do.”

”キャンペーンのテーマは「Think different.」だ。人と違った考えをすることを恐れず、世界を良い方向に進めてきた人たちを称賛するものだ。この広告がAppleが何かを表している。この会社の魂に触れるものだ。それじゃあ、そろそろ見てもらおう。私と同じように感じてもらえたら嬉しい。”





 

そして、Think different.のTVCMが発表されます。当時、多くの人の心をこのコピーが揺さぶりました。


“Here’s to the crazy ones.

The misfits.
The rebels.
The troublemakers.
The round pegs in the square holes.

The ones who see things differently. They’re not fond of rules.
And they have no respect for the status quo. You can praise them, disagree with them, quote them, disbelieve them, glorify or vilify them.
About the only thing you can’t do is ignore them.
Because they change things.

While some see them as the crazy ones, we see genius.
Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do.”

”クレージーな人たちがいる。

反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。

四角い穴に丸い杭を打ち込むように、物事をまるで違う目で見る人たち。彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。彼らの言葉に心を打たれる人がいる。反対する人も、称賛する人もけなす人もいる。しかし、彼らを無視することは誰にもできない。

なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。彼らは人間を前進させた。彼らはクレージーと言われるが、私たちは天才だと思う。

自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから。”






 

世界を変えるなんて自分にとっては恐れ多い? 私はそうは思いません。

ジョブズは別のインタビューでこう答えています。以前書いた拙記事・拙訳からの引用で恐縮ですが下記に紹介します。

多くの人が抱えている人生についての思い込み。 | カジケンブログ

“When you grow up, you tend to get told that the world is the way it is and your life is just to live your life inside the world, try not to bash into the walls too much, try to have a nice family life, have fun, save a little money.”

That’s a very limited life. Life can be much broader, once you discover one simple fact, and that is everything around you that you call life was made up by people that were no smarter than you. And you can change it, you can influence it, you can build your own things that other people can use.

And the minute that you understand that you can poke life and actually something will, you know if you push in, something will pop out the other side, that you can change it, you can mold it. That’s maybe the most important thing. It’s to shake off this erroneous notion that life is there and you’re just gonna live in it, versus embrace it, change it, improve it, make your mark upon it.

I think that’s very important and however you learn that, once you learn it, you’ll want to change life and make it better, cause it’s kind of messed up, in a lot of ways. Once you learn that, you’ll never be the same again.”

”大人になるまでに周りから何度も言われることで、刷り込まれてしまっていることがある。この世界というのは変えられず、今ある世界の中でつつましく生きていくんだという考え方だ。あんまり波風を立てず、素敵な家族を持って、人生を楽しんで、そしてちょっと節約をしたりして。

しかしそれは、人生とみんなが呼んでいるもののほんの一部でしかない。人生とは本当は遥かに広大なものなんだ。もし、あるシンプルな事実を一度知ってしまったらきっと分かるはずだ。それは、あなたが人生と呼んでいる全てのことは、実はあなたよりも賢くない人たちによって作り上げられたものだということだ。本当は変えることだって、影響を与えることだって、他の人が逆にそれを使うような自分のものを作り上げることだってできるんだよ。

あなたが変えられないと思いこんでいるその人生と呼ばれるものを、試しにどこか突っついてみるとする。反対側から何かが飛び出してくるんだよ。つまりあなたは変えられるんだ。作ることだってできる。それに気づくことがたぶん何より大事なんだと思う。人生は変えられず、今周りに存在するものの中で生きていくしかないという不正確な思い込みを揺るがしてやるんだ。人生に正面から向き合い、それを変えてみたり、より良くしてみたりして、自分の証を刻むんだよ。

私はこれがとても大事だと思っている。人生を変えたくなる、もっと良くしたくなる。だって色んなところがめちゃくちゃでしょ? 今あるものが全てじゃないし絶対的なものではないんだ、人生とは変えられるものなんだ。 一旦そのことが分かったら、もう元には戻れなくなるよ。”





スコープや規模の違いはありこそすれ、同じことを言っています。

真の天才達は、全世界の関係性がほとんどない人たちにも甚大な影響を与え、私も含めた一般人にとっては、自分と自分の身の回りの人達との生活が、影響という意味ではほぼ全てでしょう。

だけどそれは分断されているものではなく、地続きの話です。

自分自身のみが対象であればそれは私的な「人生」でしょうし、自分以外に影響を与える人数が増えれば増えるほどそれは公的な「世界」になっていく。

でもどちらもその人にとっては(私的・公的を問わなければ)「世界」と呼べるはず。

Nikeがトップアスリートを称賛しているからといって、Nikeの靴を履く人がみんなバリバリのアスリートではないように。

世界を本気で変えるクレージーな人を称賛しているからといって、そういう偉人だけを対象にしているわけでは、もちろんないのです。

偉人にとっての世界は、まさに全世界でしょう。だけど普通の人にとって、自分が日々生きる周りも立派な世界です。

だからこそ、常識とか当たり前と思われている、もしくは自分自身すら無意識に変えられないと思い込んでしまっているものを、身の回りでもう一度見なおしてみる。

世界の大きさは関係ない。それぞれ自分が影響を及ぼせる範囲やレベルは人によって違って良い。要するに生き方の問題なんだと思います。

“It’s to shake off this erroneous notion that life is there and you’re just gonna live in it, versus embrace it, change it, improve it, make your mark upon it.

I think that’s very important and however you learn that, once you learn it, you’ll want to change life and make it better, cause it’s kind of messed up, in a lot of ways. Once you learn that, you’ll never be the same again.”

”人生に正面から向き合い、それを変えてみたり、より良くしてみたりして、自分の証を刻むんだよ。

私はこれがとても大事だと思っている。人生を変えたくなる、もっと良くしたくなる。だって色んなところがめちゃくちゃでしょ? 今あるものが全てじゃないし絶対的なものではないんだ、人生とは変えられるものなんだ。 一旦そのことが分かったら、もう元には戻れなくなるよ。”

 

自分自身と、自分の周りの「世界」。あなたが望むならきっと変えられるはず。

もちろんそれは他の誰でもない、あなた自身の意志と行動に掛かっているのです。いつもこのプレゼンを観るたびに、そのことを心に刻んでいます。

本年が、現状を打破しようとする全ての人にとって素晴らしい年になりますように。

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カジケン、ブログやめるってよ。

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すっかりご無沙汰してしまいました!約1ヶ月ぶりのブログ更新です。

あれほど毎日愚直に更新していたブログの更新を滞らせてまで何をやっていたのか。

実はずっとスタートアップの起ち上げの準備をしておりました。

今日Facebookでまずは友人たちに告知したのですが、その文章を転載します。



何をしてたかというと、起業の準備でした!

素晴らしい仲間に恵まれ、去年からちょこちょこと動いてはいたのですが、いよいよ本格化してくるにあたり、諸々の手続きや体制を整えることに邁進しておりました。

具体的に何をやるかはまだオープンに出来ませんが(というか会社Webページすらない!)、ソーシャルメディアとは違う人と人を繋ぐ仕組みを創りたいと思います。

というかですね。

ブログで、

人生は一回きり!(キリッ

とか

行動あるのみ!(キリッ

とか、ドヤ顔でいままで書き連ねておきながら、じゃあ書いているお前自身はどうなんだって話ですよ。マジで。


おもえば、

超ど田舎の淡路島から、東京に出てくる時だって

倒産すると言われていたAppleに入社する時だって

時価総額世界一になったAppleを退職する時だって

ブログの最初の記事を投稿する時だって(苦笑)

いつも迷ったら、ビビっているほうに足を踏み出して、自分は人生を拓いてきたのでした。

そしたら、

東京に出てきて、確実に人生の方向は変わり

Appleに入社して信じられないような成長のど真ん中で自分も素晴らしい経験を積ませてもらい

退職してから、世界の広さと、人生の有限感、そして自分の心に正直に生きる術を学び

ブログの一発目の記事に、はてブが1500以上ついて、そこから素晴らしい出会いがどんどんやってきた。

毎回の決断のたびに、必ず自分にとって次のステップへと足を進める、最初の想像を遥かに超える何かを得てここまで自分は来たのでした。

だったら踏み出さなくて、何が自分の人生だって話ですよね。


とはいえ、ほんとに何もない弱小スタートアップです。

会社紹介のWebページすらありません。

盛大にすっ転ぶ可能性も大いにあります(笑)

でも、このプロジェクトを進めていく中でも、本当に色んな人が助けてくれ、支えてくれ、自分はどんだけ幸せものなんだ、と日々実感しております。目指していること、実現しようとしていることは、きっと多くの人に必要とされることなのだと確信しています。

だからこそ自分一人の力で何とかしようとするのではなく、色んな人の力を貸していただきながら、世の中が少しでも良くなるように、力を尽くそうと思います。

ということで告知をさせてください。

事業の起ち上げに携わってくれる優秀なエンジニアの方を募集しております。

Wantedlyに募集要項を掲載したので、

1)リンク先に飛んで「応援する」ボタンを押す(超嬉しいです)
2)FacebookやTwitterでリンクを共有する(めっちゃ嬉しいです)
3)知り合いのエンジニアの方にお知らせしてみる(悶絶します)
4)そっと、この投稿にいいね!を押す(大好き!)

1)〜4)のどれでも(全部でも!)泣いて喜びます。

Appleとチームラボ出身者によるスタートアップ。創業エンジニア募集中!! – 株式会社チカクの求人 – Wantedly

いやー、人生こんなことになるなんて思ってもみなかったけど、乗るしかないこのビックウェーブに!

ということで、どうか今まで同様の生暖かい目で見守って頂ければと思います。

さぁ、やるぞ!!

—-

これに追記して。ブログを読んでくださっている方にお伝えしておきたいことがあります。

モバイルだともしかしたら見れないかも知れませんが、このブログの「About」の欄には、開設当初からこういう記述があります。

「カジケン(梶原健司):アップルにて、iPodなどコンシューマへのセールス・マーケティング主要部門を担当後、独立。 テクノロジーの進化が社会をどう変革していくのか、大きな潮流を見定めて、人と人がもっと繋がる仕組みを創りたい。」

そう。人と人がもっと繋がる仕組みを創りたい。

このテーマを追求しようと思っています。

なんでそう思うようになったのか、というのはそれだけで長い話になってしまうので、またどこかで書こうと思います。

ただ言えるのは、アップルを辞めたあと、様々な国を周り、多くの新しい出会いと体験をする中で、日々の内省のためにこのブログを始めましたが、当初は自分がこの先何がやりたいのか、自分自身でも曖昧模糊としたイメージでしかなく、全く具体的なものはありませんでした。

ただ今から振り返ってみると、日々こうやってアウトプットを自身に課すことで、自分の心が整理され、何がやりたいのかが少しずつ明確になって来たのだと思います。

拙ブログを昔から読んで頂いている方はご存知だと思いますが、私は古賀洋吉さん(@yokichi)を尊敬しており、古賀さんが起業をする際の言葉がとても素晴らしかったので、わざわざ記事にして残したぐらいなのですが、今一度それを紹介します。(3,400以上のいいね!がついた記事です)

情熱を注げるものを見つけたならば、怖いけれど思い切って旗を立ててしまおう。 | カジケンブログ


”まだ勝負の土俵にすら立ってない僕たちがえらそうにいえる事はまだ何もないけど、「旗を立ててみて学んだこと」を3つ書いてみます。

1. ひとりぼっちで、「何かやります」という旗を立てるというのは、いざ自分でやってみるとわりと怖い事です。

(中略)

2. けど、何かやりたいなら、旗を立てるしかない。立てないと誰も支えてくれない。

3. 僕は旗を支えられるだろうかと心配していたが、それはそもそも間違った心配だった。夢がでかいほど、もとから一人の力ではぜんぜん支えられないのだ。

(中略)

僕の役目は無理して旗を支えることではなかった。旗を立てて、まわりの人たちが勝手に支えたくなるような夢を描くことだった。”

旅立ち – 愛の日記

これね、ほんとにそうでした。

実は去年、まさにこの記事の後、ごく一部の人に対して旗を立ててみました。

当初は起業するかどうかすら決めてなかったのですが、私が立てた旗を支えてくれようとする人が一人増え、また一人と増えていき。

私が転がし始めた壊れやすい結晶のような小さな雪玉は、そうやって少しずつ少しずつ大きくなり、そしてこれ以上適当には転がし続けられない大きさになってきたため、起業しようと決めました。ま、世の中にはこんな人もいるということで(笑)




タイトルにあるブログをやめるというのは、ぶっちゃけただ一度言ってみたかっただけです(笑)

やめるわけないやん。

以前も書いたことがありますが、このブログの読者はまず自分自身なのです。だから更新頻度が下がろうとも、必ず継続していきます。

なぜかというと、冒頭にも書きましたが、

人生は一回きり!

とか

行動あるのみ!

とか

ああいう記事は、全部自分を鼓舞するために書いているんです(笑)

だからこういう記事を書いたりするわけですね。

インプットでいくら感動してもその人は輝かない。 | カジケンブログ

イーロン・マスクが語る、失敗する恐怖にどう対応するか? | カジケンブログ

もう必死ですわ(苦笑)

でも。

自分自身に向かって書いていたはずの記事が、誰かの心に届くことは、私にとって何物にも代えがたい喜びでもあります。

なぜか?

この言葉を心に刻みつけているからです。


カジケンブログを読んで一歩踏み出したとか、たまにメッセやメールを頂きますが、ほんとに涙が出るぐらい嬉しい。ってかマジで泣いたことが何回かあります。

一方で。

同じようにこのブログを読んでくれている人がいなかったら、このブログを書き続けることもなかったし、そして自分がこうやって一歩踏み出すこともなかったでしょう。

そういう意味では、読んでくれている方から私も影響を受けているんです。

お会いしたことも、話したことがない人も、たくさんいるけれど、とても感謝しています。

この場を借りて、今までのお礼を言わせてください。

ありがとう。本当にありがとう。

そして、できればこれからもカジケンブログをよろしくお願いします。そして私のチャレンジを応援してくれると、とても嬉しいです。

あなたのおかげで、私は一歩踏み出せると言っても過言ではありません。

そして願わくば、あなたがあなた自身の一歩を踏み出すことに、少しでもきっかけになれば。それに優る喜びはないです。

迷ってるなら、踏み出そう。

一歩でも、前へ。




冒頭にも書きましたが、事業の起ち上げに携わってくれる優秀なエンジニアの方を募集しております。

Wantedlyに募集要項を掲載したので、

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常に自分は記憶喪失になると思え。

先日、自分が守るルールを決めたら、例外を作らずそのルールを守るように心がけたほうが良いよね、という記事を書きました。

ルールを決めたら例外は作らない。 | カジケンブログ

これに関連して少しだけ。

常に自分は記憶喪失になると思え。

これ、最近意図的に自分に言い聞かせている言葉です。

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隣の芝が青く見えたとしても。

Grass
今日はちと雑感を。

今はだいぶマシになったと思いますが、私は若い頃、周りを羨ましく思う気持ちに苦しめられることがとても多かったです。嫉妬という単語がタイトルにつく記事を二つも書いているぐらい、その苦闘の後が垣間見えますな(笑)

嫉妬を感じたら、しめた!と思おう。 | カジケンブログ

あの羨望と嫉妬と尊敬と悔しさが入り混じった感情に名前をつけたい。 | カジケンブログ

ある日、ふとなんで隣の芝は青く見えるんだろう?と考えたことがあります。要はなんで羨ましくなっちゃうんだろう?と。

まー当たり前のことなのですが、

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ジョブズが語る失敗について。

今日は、スティーブ・ジョブズ伝記本に追記されたわずか10ページの終章の邦訳が公開されたことを知り、とても感銘を受けました。ぜひ読んでみてください。彼のCEO辞任からその生涯を終えるまで。

http://bookclub.kodansha.co.jp/books/topics/jobs/pdf/lastchapter.pdf

これを読みながら、自分がよく観るジョブズのインタビュー動画を観返していたのですが、その1つをご紹介します。

追放されたアップルに復帰する前、1994年にシリコンバレー歴史協会から受けたインタビュー動画。失敗について。

Steve Jobs on Failure – YouTube 続きを読む «ジョブズが語る失敗について。»

ルールを決めたら例外は作らない。

the list
ベタな話ではありますが、死ぬまで少しずつでもより良い自分になれたらと考えています。ま、あまりに今の自分のレベルが酷いから!ってのが理由の1つですが(苦笑)

Twitterの創業者で、Squareの共同設立者のジャック・ドーシーは、常により良い選択をするため(つまりより良い人間になるため)に、意識的に思い出すようにしている「する/しない」リストというものを作っている、という記事が以前紹介されていました。

Twitter創業者ジャック・ドーシーが毎日欠かさずチェックする「する/しない」リスト : ライフハッカー[日本版]

私も同じようなリストを自分なりに作って運用しているのですが、最近強く思うことがあります。

数年前、古賀洋吉さん(@yokichi)を囲む会に出席したときに、古賀さんが言ってた言葉です。
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リズム!リズム!リズム!

Gazing at the Walls

生活のリズム、とかよく言ったりしますが、「リズム」というのはとてもとても大事なことだと私は考えています。

リズムとは言い換えるのなら、ある特定の間隔で同じ事を継続していくこと、とも言えます。

音楽がまさにそうですが、リズムがいい加減だと全然その音楽に没入できないし、逆にうまくハマればものすごいグルーヴ感が生まれたりします。

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子供の成長スピードに驚いている場合ではない。

Juegos de niños - Children games


前回は、大人になったら、環境から受ける影響の大きさを自覚し、その上で自分の意志でそれを管理できるよう、努力することが大事だよね、ということを書きました。今日はその補足を少しだけ。

成熟した大人に求められるスキルとは? | カジケンブログ

子供を見ていると、肉体的にも精神的にも、凄まじいスピードでの成長ぶりに本当に驚かされます。

時期によっては、毎日できることやしゃべる言葉が増えていたりして、そのさまは感動的です。畏敬の念すら覚えるときがあります。

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