既に観た方多いとは思いますが、遅ればせながらDVDで観ました。
バップ (2013-02-20)
売り上げランキング: 58
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子が育っていき、やがて自立し、親から離れていく。そのことの愛おしさと切なさ。
一緒にいられる時間、その日常の一瞬一瞬こそが、どれほど貴重で、美しく、愛おしいものなのか。その日常をある意味淡々と丁寧に描いた、おとなのための絵本のような、おとぎばなし。
だからリアリティを求める方や、前作サマーウォーズみたいなカタルシスを求める方には向いてないかも。あと、自分の親との関係や子育て経験の有無などによっても意見が分かれそう。Amazonや映画サイトのレビューも見てみましたが、結構評価割れてますしね。(というか、子供にはこのお話まったくピンと来ないと思うのですが、よく夏休みに封切りしたな・・・)
劇中を通してみて、ドラマや盛り上がりはもちろんあるのですが、それよりは子供が親も気づかない間に成長し自立していく、その過程を追体験するオムニバスのようなお話として楽しむのが良いかなぁと感じました。
いずれにしても、素晴らしい絵本がどのページを開いても美しく情緒溢れているように、どのシーンにも美しい情景が溢れ、そして全編を通して流れる高木正勝の音楽がとても暖かくて切ない。
高木正勝 – Girls [HD] – YouTube
(今作品とは関係ありませんが、映像作家でもある彼のこの作品は本当に傑作だと思います。何度聴いたことか。)
あと田舎で育って都会に出てきた方には、自然や古い家のあの空気感や音はたまらないと思います。宮崎駿さんが描く自然とはまた違ったリアリティがあって。
映画館の大画面で観るのも良かったと思いますが、たぶん自宅のテレビやPCで、ヘッドフォンをして、そしてできれば音量大きめで、一人で没入しながら観るのオススメ。
あの世界に浸りに何度も観ると思います。それこそ大好きな絵本を読むように。