Internet is like a bicycle for our passion.

(今日の記事は友人の横田いたるに贈ります)

企業会計の概念で、自己資本、他人資本というものがあります。

企業活動とは極論すれば、自分のお金と他人のお金を使って、どれだけの価値を世の中に提供できるのかを競っているようなものです。

一般的な日本人の感覚からすると、なんとなく借金は悪いものみたいな印象がありますが、要は他社の力(資本)を借りて、自社一社の力ではとても出来ない大きなことを実現しようとする営みのこと。

個人の世界でも、全く同じことが言えます。

自己資本 = 自分のスキル・能力

他人資本 = 周囲のスキル・能力をどれだけ貸してもらえるか。

現代においてインターネットの力は、どちらにもインパクトを与えています。例えば自己資本という意味では、格安での語学学習などがそう。

しかし天才的な能力を持っている人を除けば、ほとんどの人にとって自分一人の力で出来ることは限られています。

だからこそ、いかに他者の力を借りられるかというのは、その人がどれだけ大きなことを実現できるかをそのまま左右すると言っても過言ではありません。

ソーシャルファンディングなどの隆盛を始めとして、インターネットはこの「他者の力を借りて何かを成し遂げる」ということに大きな力を及ぼし始めています。

 




 

先日友人が地方の市議会選挙に当選したことに触れました。TechWaveにも取り上げられたので、長文ですが未読の方はぜひ一読頂ければ幸いです。

↓参考記事
カネがなくてもソーシャルのつながりと熱意があれば選挙は勝てる 丹波市議選で当選した横田いたる氏のケース【湯川】 : TechWave

詳細な活動内容は上記記事をご覧頂ければと思いますが、資金も時間も人員も圧倒的に不足する中、それでも当選できたのは、彼の持つ情熱と意志、人間性に惹かれた多くの友人、知人達が、彼の行動に呼応して惜しみない協力を差し伸べたからです。

そして崖っぷちの状況でも、多くの人からの援助が得られたのはFacebookなどのインターネットのサービスの力が大きいのです。

あの「彼を助けたい」、「地元に新しい風を起こしたい」というメンバーの熱意がFacebookの非公開グループの中でみるみるうちに充満して渦巻いている様、そして当選の報に触れ、遠く離れた友人達へと感動が広がっていく様は、見ていて本当に感動的でした。

きっと今回のことを機に、彼だけでなく、彼の挑戦を目撃した友人・仲間達が、自分なりの決意を胸にそれぞれの挑戦を始めることでしょう。

お金はあったほうがいいです。それはもう絶対に。

しかし人の心を変えるのは、ほとんどの場合お金ではなく、個人の情熱に触れた時や、強烈な体験をしたときです。

別に目新しいことは何もありません。古来から全く変わらない人の営み。

だけど、人によっては今までではあり得なかったぐらいの力を借りられる時代になってきたのだなと感じます。

別にソーシャル最高!インターネット万能!みたいなことを言いたいわけではありません。もちろん功罪両面あります。

しかし、使い方によっては大きな可能性を秘めていることは間違いないと思います。




 

私が勤務していたアップルジャパンのオフィスに、かつてカラフルな自転車の絵が飾ってありました。

スティーブ・ジョブズが若かりし頃、「コンピュータとは人間の精神にとっての自転車のようなものだ。(Computers are like a bicycle for our minds.)」と言っていたことをイラストにしたものです。



↓参考記事
Long Tail World: ジョブズ「コンピュータは自転車」(動画):Steve Jobs – Computers are like a Bicycle for Our Minds

なぜ「自動車」ではなく「自転車」なのか?

アクセルを踏めば誰でも簡単に同じスピードが出る機械ではなく、人間の能力そのものを拡張する道具を創りたいという彼の意志の現れです。

そしてそれは Mac から iPhone, iPad へと結実し、実際に我々の生活に大きな影響を与えています。

同じように、インターネットは、人間の本来備えている情熱や意志のようなものを、多くの人に伝達する力を発揮し始めているのだと思います。

ソーシャル、インターネットが何かを変えたのではありません。ただ人間が持っている本来の力を増幅しているのだ。そう思います。

彼はそのことを実証してくれました。

いたるくん、改めて本当におめでとう。あなたの友人であることをとても誇りに思います。私も負けてられません(笑)

 

 

ちなみにカジケンの会社、絶賛エンジニア募集中です!(笑)