先日、8か国語を操る外国人と会いました。
英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、中国語、日本語、あと何か二つぐらい言ってましたが忘れました・・・
驚いたのは、日本語の発音も綺麗でかなり流暢なのですが、それに加えて微妙なニュアンスや独特の表現も、きちんと理解していること。
「歯がたたない」
「財布の紐が堅い」
「それは理屈が通らない」
みたいな慣用句って、結構日本語が話せる外国人でも、「ン?ケンジ?ソレドウイウイミ?」って聞き返してくるものなのですが、彼にはほぼ100%通じてました。
それでも8ヶ国語の中で一番下手なのが日本語だそうで・・・ドウイウコトデスカソレハ・・・
聞いてみたら、昔、日本人と付き合っていたこともあったそうで、それか!それが原因かぁ!!!と思いましたが、彼女とは英語で会話をすることのほうが多かったとのこと。
実際は、日本のドラマをずっと観ながら喋る練習をしたことが、彼にとって一番効果的な学習法だったそうです。
とはいえ、そんな彼も最初の外国語であるポルトガル語を習熟するのは、とてもとても苦労したと言っていました。しかし、2番目、3番目の外国語を覚えていく毎にどんどん習得が楽になっていったと。
そのことを彼は、語学習得の回路ができたみたい、と表現していました。
言い換えるなら、それは(言語習得についての)上達の法則を会得したみたいなものだと思います。
有名な本ですが、上達の法則をまとめたこの本の第一章に、こうあります。
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新しい仕事や難度の高い仕事を与えられても、いつの間にかきちんと自分のものにしている。そういう人がいるものである。あいつに任せておけばとりあえずある線まではきちんとやりそうだ。そんな感じに信頼できる雰囲気がただよっている。そんな人がいるものである。
そういう人は、じつは、上達の法則を身体で知っている人なのである。多くの場合、子どもの頃に、なにかをかなり深く身につける経験を通じて、上達の一般則を体得しているのである。その体得が、新しいものを身につけるときに自然に活かされるのである。
上達には法則がある。近道でなく、法則がある。 その法則が把握できている人は、努力の効率がよい。
第一章 能力主義と上達の法則 p19
羽生善治さんが、(将棋の世界では)インターネットの普及によって学習の高速道路が敷かれた、と表現したことは有名な話ですが、将棋だけでなく、色んな分野で学習に必要な情報が無料や極めて安価に公開され始めています。インターネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞:梅田望夫・英語で読むITトレンド – CNET Japan
そういう意味で、何か一つでも上級者のレベルまで習熟した経験がある、つまり上達の法則を一度体験している人にとっては、今までよりも遥かに新しいことを学び身につけやすい時代になりますし、そうでない人との差がどんどん開いていくことになってくるのかも知れません。
もちろん、分野が違えば習熟のプロセスも異なることが多いでしょうし、一事が万事とはいかないでしょうが、何かに一点集中してぶち抜けるという体験は、できることならしておきたい。
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