この記事を読んで色々と考えさせられました。
東大卒独身男が20年続ける「豊かな無職生活」(プレジデントオンライン) – 経済 – livedoor ニュース
親が遺してくれた古マンションの賃貸料 100万円/年だけで、無職のまま20年間暮らしてきた人のお話。当然自炊で色んなやりくりはしているわけですが、でもこんなコメントもされています。
”だが、ムリをして切り詰めているわけではない。ストレスが溜まるほどの節制を自らに強いるなんてもってのほか。月3万円あれば、節制や我慢とは無縁な豊かで楽しい毎日を送ることができる。いま、そう実感している。”
この話を読んで、「お金がなくても生きていける!」と片付けてしまうのは簡単ですが、おそらくただ「漫然と」生きていく、という話と「豊かに」生きていく、という話は全然別なのだな、と思います。
この方も「豊かに」生きていくために、非常に意識的に色々と工夫されている感じです。
とはいえ彼女はいるものの、いまだ独身で子供もいないので、もし子供ができたら育児の出費や教育費などどうするのだ?とか、海外だけでなく国内旅行すら厳しいでしょう?という疑問は当然あります。私自身は、お金は稼ぐべきだと考えている人間なので、自分が同じような生活を試みることもたぶんないと思います。
一方で、たとえ100万円以上の年収があったとしても、この人のように豊かで楽しく生きてはいないなぁ、と感じる方は多いのではないかと思います。
通常、選択肢は多いほうが良いと言われます。
そのほうが交渉力が増すし、数ある選択肢の中でより自分のニーズに合ったものを選びとることができるから。
例えば、転職で考えてみれば。
引く手あまたでどの企業からも来て欲しい!と言われるスーパーな人材は、給与やポジションの条件交渉はとてもやりやすいはず。別にあなたの会社じゃなくても、他にいくらでもあるから、と言えるので。そして実際に色んな会社のオファーの中から自分に一番合ったものを選択できるわけで、これが一社からもオファーがないような人であれば、どんな仕事でもやりますから入れてください、と頭を下げなきゃいけなくなる。ツライです。
選択肢を広げるツールとして最たるものが、お金ですよね。
世の中のありとあらゆるものの中で、圧倒的に他に交換できるものの種類が多いわけですから、当然お金を持っているほど、選択肢が増えます。
この世界の色んなことを体験してみたい、また突如として襲ってくる人生におけるアクシデントから、自分や自分の大切な人たちを守りたい。そうすると、どちらもできるだけ色んなオプション(選択肢)を持てたほうがいい。
だからこそみんなお金を欲しがるわけで、間違ってない。全然正解。
そういう意味で、どうやったら選択肢を広げられるかということを、多くの人はずっと追求しているようなものかも知れません。
とはいえ。
ただ選択肢があれば幸せになれるか、というとまたそれは別の問題。
例えば、ある一定以上の年齢を超えると、歳を重ねるということはだんだんと色んな可能性や選択肢を諦めるということでもあります。
だけどそうやって選択肢が減っていったら幸福度が減っていくかというとそうではないはず(もちろん人によりますが)。幸せなおじいちゃんやおばあちゃんは、いっぱいいます。
これも最近の記事で見たことある方多いと思いますが、
人を幸せにするものは何か?ということがハーバード大学の75年間の研究で明らかに – GIGAZINE
人生において暖かな人間関係が(幸福度を決める)最も重要な要素である、という結果がハーバード大学の研究で出ているそうです。
よく言われる話ですし、人間は社会的な存在だから、当たり前っちゃーそうなのですが、とはいえ改めて考えさせられる内容でした。
◯ 結局は自分の歌を歌おうという話。
きちんとした人間関係を結ぼうと思えば、互いに対等であることが大切です。であるならば、相手に依存するのではなく、自分の立ち位置をはっきりとさせるべきかと思います。
そう考えると、以前ご紹介した岡本太郎さんの言葉が参考になるかと。
他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ。 | カジケンブログ
”みんなから歌がうまいと言われるヤツだって、自分はうまいけど、やはりあの人には劣っていると思っているものだ。そういう人の前で、平気で下手に、明るく歌を歌ってやればきっとうらやましがられる。ひとつ、いい提案をしようか。音痴同士の会を作って、そこで、ふんぞりかえって歌うんだよ。それも、音痴同士がいたわりあって集うんじゃだめ。得意になってさ。しまいには音痴でないものが、頭をさげて音痴同好会に入れてくれといってくるくらい堂々と歌いあげるんだ。”
結局は自分の価値観と照らしあわせて、はっきりと立ち位置を決め、そして自分なりの歌を精一杯歌えばいい、という話じゃないかと思います。
選択肢を広げようとするもよし、限られた選択肢の中で楽しみを見出そうとするもよし。
結局のところ、(お金を稼ぐなどの)選択肢を増やそうとする行為も努力が必要ですし、限られた選択肢の中で楽しむことにも工夫が必要。
どちらに進むのかはその人次第ですが、いずれにしても「楽しく幸せに」生きようと思ったら、漫然とではなくやはり意識的に行動することが大事なのだと思います。
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