偶然が減っていく。(ものもらいと需要予測)

いきなりこんな話で大変申し訳ないのですが、ここ2日ほど右目が痛かったので、眼科で診てもらったところ、ものもらいでした。

ここ数年で何度かなっていて、その度に同じ病院で同じ目薬を処方してもらい、だいたい数日で完治します。



ものもらいは、疲れがたまっているときにできることが多いようですが、今回診断中の私のカルテが目に入った時、その日付にちょっとびっくりしました。

前回も同じ症状で診てもらっていて、その受診日が2012年5月26日

前々回も同じ症状で診てもらっていて、それが、2011年5月28日

そして今回の日付が、2013年6月1日

4, 5日のズレはあるとはいえ、毎年のようにほぼ同じタイミングでものもらいが出来ているということですよね、これ。

花粉症ならまだしも、そこまで季節性の要因があるとは思えませんし、一年の仕事のピークが必ずこの時期に来るわけでもない。

お医者さんには「眼をよくかいたりしますか?」と聞かれて、確かに眼が疲れやすい体質なのか、しょっちゅう眼をこすったりする癖はあるのですが、それって一年中のこと。

ただの偶然と片付けても良いのですが、ふと昔やっていた需要予測の仕事を思い出しました。




当時私がやっていた需要予測の仕事は、当該四半期の担当製品の販売数を週単位で予測し、毎週実績との差分を要因分析して、供給量の調整や四半期目標に対しての予実管理と追加施策の検討・実施などを決めていくわけです。

需要予測のベースとして、当然季節要因となる競合製品も含めた市場全体の販売数の過去実績が使われるのですが、面白いのがこの市場全体の実績値って季節みたいなざっくりした単位どころか、週毎の動きでみても、毎年ほとんどトレンド変わらないんですよね。

どういうことかというと、1年間(52週)の販売数の動き方をグラフにすると、毎年ほぼ相似形になる。

もちろん主要メーカーの新製品の投入タイミングのズレや大型施策の有無などで、完全に同じではない。けれど、そういったものがない期間は見事に同じ動きをする。

例えば、ボーナス商戦期とか、クリスマスシーズン期だけでなく、2月1週目よりも2週目は下がるとか、7月3週目より4週目が上がる、とかかなりの確率で毎年同じトレンドを描きます。

考えてみれば不思議ですよね。毎年買い換えるような製品でもなく、また個人個人の購買行動は、それぞれ個別の事情や思惑があってのことなのに、それが数百万人、数千万人という集団で見ると、「毎年」「毎週」同じ動き、つまり同じパターンを取っているわけですから。

面白いのは、なぜこういうパターンを描くのか?という要因ははっきりとは分からないところ。少なくとも現時点では。(もちろん天候や給料日など、部分的には分かるところもあります)

ビックデータという言葉が最近バズワードになっていますが、言葉の表現はなんであれ、今後モバイル端末の進化と、ウェアラブルコンピュータの普及、その上位レイヤーでのライフログ系のサービスの発達などで、飛躍的に個人情報がデータとして集約されていきます。

分野を横断してデータを結びつけ、それらを解析することで、今までは分からなかった、様々な事柄の相関関係や因果関係が明らかになっていくでしょう。

それは言い換えるなら、個人が偶然と感じていたことの多くが、実は高度なレイヤーでは、必然だったということがあらわになってくるとも言えるのではないかと思います。

もちろんこれから功罪両面出てくるでしょうが、変化自体は不可避。

いずれにしても、人間というのは、(今はまだ)自分でも全然把握できていない色んな要因に実は影響を受け、日々行動しているんだ、ということを頭の片隅には置いておきたいものです。

偶然って自分が考えているより、よっぽど少ないものなのかも知れません。




ちなみにカジケンの会社、絶賛エンジニア募集中です!(笑)