今日はちょっとつらつらと書きますのでお付き合いください。いつもか?(笑)
よく言われることでもありますし私も何度か書いていますが、ソーシャルメディアを始めとして、ここ10年ぐらいで誰もがネット上に様々な痕跡を残すようになりました。
ネットににじみ出てくる自分。 | カジケンブログ
あなたは隠す派?さらす派? | カジケンブログ
「自分が何者であるか」ということを部分的とはいえ、ネット上に残すようになってきたと言えるでしょう。
いやいや、オレはFacebookとかTwitterみたいなのはROM専(見ているだけで発言はしない人)だし!みたいな人もたくさんいらっしゃるとは思います。
ただ大きな流れとしては、自分についての情報はネット上に増えていく方向でしょう。
例えば、欧米ではLinkedInがめっちゃ一般的。
要は履歴書をインターネットで公開しているようなものですが、これだって立派に自分が何者かをネット上に残していることになりますよね。
自分が仕事で関わった欧米人はみんなアカウントを持っていて、しかも昇進や転職の度に逐一きちんと情報を更新している。もちろん転職が当たり前の欧米ならではとも言えますが、外資系の日本法人に勤める人は既に多くの人が活用していますし、流れとしてはいずれ日本でも当たり前になってくると思います。
ちなみにLINE株式会社の執行役員である田端信太郎さん(@tabbata)が、自社サービスであるNAVERまとめを使って、自分の経歴をリンク集的にまとめるという面白いことをされています。これも自分の経歴を自分でまとめて公開するという意味で、ある種のLinkedIn的なものと呼べるかも知れません。
「メディア野郎」な田端信太郎の経歴を「セルフまとめ」してみた。 – NAVER まとめ
まー田端さんのように、メディアに個人として取り上げられるような方は限られるでしょうが、自分が携わったりしたプロジェクトをこうやって紹介していけば、それは立派な職歴の一つですよね。
もちろんこういった職歴に限りません。
個人としてどんな人かを確認しようと思えば、例えば私の場合は、FacebookやTwitter、そしてこのブログ、またこのブログについてのツイートなど色々と情報があります。
Tweets about “kajikenblog”
実際自分は、面識ない方からメールを頂いたり、人づてで紹介を受けたりする場合は、まず最初にその方の名前で検索を掛け、ネット上に何か情報がないか調べます。
5, 6年前であれば、ネット上で記事になるぐらい目立った活動をしている人でなければ、なかなか情報がなかったものですが、今ではさっきのようなTwitterやFacebook、LinkedIn、個人ブログなど、人によってはかなり色んな情報があります。Facebookで共通の知人がいる場合は、その知人に人となりを確認したりもできます。
逆もまたしかりで、最近であれば初めての人と会う場合は、内容によりますが事前に自分のブログの記事を送ったりします。自分はこんなことを考えている人間ですと知ってもらうために。
そうやって事前に先方の経歴・興味・関心・考え方・価値観などを調べておくことで、昔に比べると直接会った時の会話の深さが確実に違う。
お金よりも時間の奪い合いと言われるぐらいの現代において、本当にその人との出会いを大事に考え、お会いするときの限られた時間を最大限実りあるものにしようと思えば、それぐらいやってしかるべき。そんな時代になりつつあるのかも知れません。
こういうことって、メディアに出るような著名人に会う場合は、当然のように行っていたことだと思うのですが、ソーシャルメディアなどで一般的な個人にまでそれが広がってきているのだと思います。
昔では考えられないぐらい、人に会う前にその人についての情報を事前に調べられるようになった。そうすると「第一印象が全てを決める」みたいな本、今でも書店でよく見かけますが、今後はどうなっていくのでしょう。
もちろん見た目はその人の印象を形作る一つの要素だし、大事であることには変わりないけれど、相対的に重要性は下がっていくんじゃないかと思います。
そう思った理由の一つとして、冒頭の記事内でも紹介した一節を引用します。
著名な編集者である菅付雅信さんは、
”ファッションはインスタントな言語ではなくなった”
とおっしゃっています。
以前は、自分が何を着ているかが、外部に対しての最もインスタント(早く簡便)なプレゼンテーションでした。しかし、ソーシャルメディアというさらにインスタントな手段が出てきたことで、ファッションの位置づけが変わってきてるそうです。
例えば、世界で最もクリエイティブで個性的な人が集まる街の一つであるニューヨークでは、ファッションがどんどんカジュアルになっているそう。
見た目の第一印象で自分を表現するより、ソーシャルメディアでの情報発信のほうが速く、雄弁になってきているわけです。
<MODE PRESS特別講義>ファッションが終わる前に:第1回「ソーシャルメディアは見栄を殺す」
<MODE PRESS特別講義>ファッションが終わる前に:第2回「ファッションはもはや“速い言葉”ではない」前編
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菅付さんのおっしゃるインスタントなプレゼンテーションという意味では、「人と人」との出会いにおいてはそれがファッションでしょうし、「人と会社」とのマッチングという意味では履歴書がそうでしょう。
ちなみに「人と人」との出会いって、世の中に色々ある「マッチング」の中で、最も重要なものの一つに数えられると思います。
我が身を振り返っても、今の自分があるのは間違いなく今まで出会ってきた人のおかげですし、人生の転機となるきっかけもほとんどは様々な出会いによって起きてきました。
そういう意味で、「人と会社」のマッチングである就職活動では履歴書をどう書くかについてあんなに真剣に考えるのに、もっと大事かも知れない「人と人」のマッチングについても、もっと考えても良いのでは?と思います。
巷で言われるセルフブランディングという言葉は定義も曖昧で、個人的にはあまり好きではありませんが、要は、
自分は何が好きなのか、どんな考え方をするのか、どんな価値観を持っているのか、そしてそれらの発露としての今までの行動の履歴や職歴などなど。
そういったことをできる限り、シンプルに分かりやすく、他者に理解してもらえるような仕組みを作っておく。そういうことが大事な時代になってくると思います。
たとえるなら、それはネット上でどんな服を着ているか、みたいなものなのかも知れません。
ビジネスであれば、スーツを着る。プライベートでは、カジュアルな服を着る。それぞれの着こなしや身だしなみ、服の選択に、その人の個性は表れますし、周りの人はそれを見て意識・無意識にその人の印象を決めています。
そしてそんな中、靴が汚いなどのほころびは気づく人は気づくもの。
結局、今の時代、偽ろうと思っても、見る人が見たらバレちゃうんだと思います。それってリアルもネットも変わらなくなってきているような気がします。
だからこそ、飾ろうとするのではなく、もっと自然体でネット上にアウトプットしていけば良い。いずれ服の着こなしと同じレベルで、ネットでの振る舞いが捉えられるようになるのでしょう。
だからこそ、ネット上で今から色んな服を用意しておいても良いかも知れませんね。
自分のことをきちんと理解してもらうために。
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