あの時間のときに、みんな、サボってるんだよ。

私は文章を読むことが幼少の頃から大好きなのですが、自分に刷り込ませたいなぁ、と感じるものは、不定期ですが読み返すようにしています。

その中から今日は一つ。この記事は3年くらい前のものですが、糸井重里さんがマリオやゼルダを創った宮本茂さんと対談しているもので、インプットについて語っているものを一部ご紹介します。

糸井さんの言葉、ちょっと耳が痛いです(笑)


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社長の代わりに糸井重里さんが訊く「スーパーマリオ25周年」
8. インプットがおろそか。





糸井

そうそう。


つまり、努力する若い人たちを見ていて、
「努力してる場所と時間が違うんじゃないか?」って
感じることが多いっていうことですよね。


宮本


そうですね。


糸井


違う言い方をすると、
一般的には努力だと思われないけれども、
自分にとっては努力している時間というのが
宮本さんのなかにあるんだと思うんですよ。
ひょっとしたら宮本さん自身も気づいてないけど、
ぼくなんかからすると、たいへんなことをしているぞ、
というような時間が。


宮本


あー、どうでしょう。
あるのかもしれませんね。


糸井


自分の例でいうとね、
たとえば、しょうもないテレビを見てるときに、
オレはものすごく努力をしてるんです。
つまり、「このドラマ、ダメだなぁ」みたいな
結論を出そうとしてるとき、
もう、ものっすごく、集中してる。


宮本


(笑)


糸井


もう、頭がフル回転してると思いますね。
「ここで救いがあるかな? あ、ダメだ。ここもダメだ。
あ、これはいい、あ、でも拾われてない。
あいつ、わかってない。あ、役者がわかってない。
あ、ダメだ、あ、これはスポンサーを気にしてる・・・」
そんなことをぶつぶつ言いながら見てるとき、
オレはミーティングしてるときよりも真剣だと思いますね。




〜〜中略〜〜







糸井


オレ、いままでこの話は自分の会社の社員にも
うまく言えたことがなかったけど、今日言えた。
つまり、うちの社員たちが、アウトプットしようと思って、
なんとか出そうとしてるときの努力ってのは、遅いんだよ。
インプットのところで、すでにいい加減なんだから、
アウトプットで急にいいものが出るわけないんだよ。


宮本


あーー。


糸井


いい飯食ってないのに、いいうんこは出ない。

宮本


(笑)




〜〜中略〜〜






糸井

だからね、それは、たまに出会ういいドラマ、
『モテキ』とかを見てるときのオレの視線の真剣さですよ。
もう、ものすごく一所懸命ですから。
逆にダメなテレビ番組に対する「惜しい!」とかね。


宮本


一所懸命ですよねぇ。


糸井


たいへんなものですよ。
それとか、自分ちの犬を見つめるときの視線ね。
もう、なんていうの、ジャン・リュック・ゴダールの映画を
はじめて見た大学一年生のように、
発見に打ち震えながら自分ちの犬を見てますね。
だから、まぁ、ぼくにいわせれば、
あの時間のときに、みんな、サボってるんだよ。

(文中の太字はカジケン)






元記事の最後の一文も、なかなか良いです(笑)

社長の代わりに糸井重里さんが訊く「スーパーマリオ25周年」
8. インプットがおろそか。


アウトプットしようと思ってから、色々頑張っても徒労に終わるだけ。

インプットの段階で超集中していないと、アウトプットの質はなかなか上がらないよねー、ということですな。

糸井さんはクリエイターなので、テレビドラマを観てどう感じるかなどもある意味お仕事のネタになりますが、もちろんこれはドラマに限った話ではありません。

要はいかに普段ぼぉーっっと生きてしまっているか、ってことなんですよね。

新卒で入社してすぐ、当時のエライ人に言われたのが、「あなた、24時間仕事のこと考えてる?」だったことを思い出します。

(プライベートの時間まで仕事のこと考えてるわけないやん!リフレッシュできんがな!)

という心の叫びを気付かれないように、曖昧な相槌でごまかしたなぁ、あの頃(笑)

今ならはっきり理解できますが、別にプライベートの時間で「あー、あの企画書まだ出来てないけど、どうしよ・・・」みたいな感じで仕事のことで頭をいっぱいにしろ、って話ではないんですよね。

例えば、セールス・マーケティング系のお仕事をされている方であれば、自分が何かを買いたいとおもったとき、購入するまでの自分の心理状態を明晰に観察するであったりとか。

いつその商品に興味を持ったのか?何を見て?気持ちが盛り上がって、もう絶対買いたい!となったのはどのタイミング?なぜそうなったのか?そのときはどんな気持ちだったか?買おうと思ったときに頭にあがった選択肢はどれぐらい?店頭ではなく、なぜオンラインストアで買おうと思ったのか?などなど・・・

つまり、プライベートの時に仕事をしろって話ではなくて、普段の生活の中で、ぼぉーっとせずに集中して観察する時間を増やしましょう、ということ。

目的意識を持てば、普通に生活していても時間の密度は何倍にもなる。

あの時間のときに、みんな、サボってるんだよ。

って言われないように、頑張ろうっと。

ちなみに他の記事も素晴らしいです。時代を創ってきたクリエイター二人が、アイデア、仕事、考え方などについて短いながらざっくばらんに語り合う内容なので、ご興味ある方は最初からどうぞ。

社長の代わりに糸井重里さんが訊く「スーパーマリオ25周年」

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ちなみにカジケンの会社、絶賛エンジニア募集中です!(笑)