例える力は一流の必要条件。

先日人生は60分番組という記事を書いたら、NHNの田端信太郎さん(@tabbata)からTwitterでコメントを頂きました。

 

さすが。比喩が的確。


比喩というのは両者の共通点を見つけることでもあります。

人生と(NHKの)大河ドラマの共通点は、

– 尺が決まっている(人はかならず死ぬ)

– ドラマがある(誰の人生だって浮き沈みはある)

– 主人公がいる(人生の主人公は自分)

– CMはない。最初から最後までノンストップ。(人生一回止めて再開とかできない)

(*45分については、人生80歳までと想定しているそうです。そうすると36歳の私はまだ20分目。このほうがポジティブでいいですね!)

元々、私の記事では60分番組という大くくりで表現していたので、例えば記事を読んだ人が、民放のクイズ番組とかをイメージしちゃうと比喩としては適さなくなってしまいます。

そういう意味で、いまいち対象に焦点が合いきれずぼんやりしていたカメラが、すっと焦点があったかのように正確な比喩になりました。なんか気持ちいいですな。

 


このコメントを見て思い返したのは、自分が知る一流の人にほぼ間違いなく共通するのは、比喩や例え話がめちゃくちゃ上手なことです。切れ味がハンパでない。

これってこのブログ読んでる方には釈迦に説法だと思いますが、あえて理由を挙げるとそれは、

普段から「抽象化と具体化」を呼吸と同じぐらい自然に行なっている、から。

よく言われることですが、「何かに例える」というのは、かなり高度な思考様式です。

対象物の本質の一部を抽出し(抽象化)、それと類似のものを検索し、出てきた候補の中で最も相応しいものを選択する(具体化)。

(ちなみにコミュニケーション能力が高い人は3つ目の具体化の際に、相手に合わせた例を自在に出せるわけですね)

上記3つのどれが欠けても、上手に例えることは出来ません。

どの分野においても一流の専門家・プロフェッショナルと呼ばれる人達は、その分野での体系的な知識・経験に加えて、この抽象化と具体化のスキルが非常に高いです。だからこそ現在の専門分野を超え、他分野や過去の研究・歴史などからの知見を自分の専門に応用させて、さらに見識を深める・新規施策を打つみたいなことができるわけです。

抽象化と具体化のスキルが一流の十分条件とまでは言えないでしょうが、必要条件であることは間違いないと思います。

そしてそのスキルは「例える力」に如実に現れます。

 

で、鍛えられるのそれ?

コンサルティングファームのような考えるプロを除けば、正直その人の置かれた環境によってやり方は色々あるのだと思います。

汎用的なやり方として、以前紹介したスマートノートは個人的にはオススメ。

凡人が考え続けるためのツール:スマートノート | カジケンブログ

いずれにしてもポイントは、意識せずとも日常の中で自然と出来るようになっていること。

仕事の時だけ頑張るとかではなく、語学と一緒でとにかくあらゆる場を通して、人に対して会話でもプレゼンでも、アウトプットしまくる。場数を踏みまくる。そしてその中でPlan-Do-Seeを繰り返すのが王道ではないかと思います。

私のアップル時代の大恩人の一人であるコンサル出身の先輩は、私が入社1年目の時のあらゆる会話の中で二言目には、

「で、ポイントは何なの?」

「で、具体例を挙げるとしたら?」

「で、例えるならどういうこと?」

と質問の嵐。いや、いまは恋愛の相談してるんですけど・・・

まーでも、今から考えたらそれぐらい自然な習慣として彼の身体に染み付いていたんだなと思います。

ただ、気をつけるべき点もあって、

– 本来複雑なものを単純化することで、歪曲化して理解してしまう場合がある。

あと、

– 意識しておかないと、女性には嫌がられる。

「あーそれはこうゆうことだよね。」「言い換えるなら、これでしょ。」を連発しまくってると、「あなたの話をしてるんじゃなくて、わたしの話を聞いて欲しいの!」とキレられます。

ってことで、論理力だけじゃなくて、共感力を鍛えることも、人間としては忘れないようにしたいですね!(その先輩に言っているわけではありません・笑)

 *12月10日8:13 一部加筆


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ちなみにカジケンの会社、絶賛エンジニア募集中です!(笑)