現代を生きるのに必要な錨。

我々は毎日膨大な情報に触れています。

テレビや新聞記事だけでなく、ブログ、Twitter、Facebook・・・

これほど大量のニュース、人の意見、感想を毎日目にすることは、ほんの数年前ですら考えられませんでした。

自分がその場にいることなく、様々な世の中の動きを把握し、面識のない有識者たちの分析/意見を参考にし、また友人・知人の動向/意見/感想を知ることができる。本当に素晴らしい時代だと思います。

一方で現代ほど、百聞は一見に如かずの「百聞」が多い時代もないでしょう。

例えばグローバル化の時代、日本人もグローバル人材にならねば!という話をしばしば耳にします。

世界がフラットになる中で、世界中の優秀な人達が、どんどん国や人種の壁を超え、組織の内外問わず様々なプロジェクトに共に取り組むようになります。

国という存在の位置づけそのものが今後どうなるのかという話は別にしても、日本という共同体がこれからも発展していくために、そういったグローバルに活躍・通用する人材をどれだけ戦略的に輩出できるか、国としての重要課題として当然議論を進めアクションが取られていくべきでしょう。

一方で、個人レベルに視点を移した時に冷静に考えるべきなのは、そういったグローバルに活躍できる人に今から日本人全員がなれるわけではないということです。

身も蓋もないたとえをするならば、草野球しかしたことないおっさんが、今から必死に練習してメジャーリーガーになろうとするようなものです(私も含めて)。

10代の若者であれば良いと思います。失うものもほとんどなく、成功しても失敗しても、チャレンジした分だけ人生経験としての得難い財産となります。たとえ、メジャーリーガーになれなかったとしても。

機会があるのであれば、どんどん日本の外に修行・活躍の場を求めていってもらいたいと思います。

現代に生きる若者と大人についての私見。 | カジケンブログ

 




でも、大人はなかなか辛いものがあります・・・(大人の定義は上記リンクで!)

社会人としてある程度の経験を積み、人によっては家族も持っている人たちが、ますます厳しい環境となる現代の日本において、今後個人としてどうやって行動していけば良いのかは、非常に難しい問題だと思います。

そんな中、冒頭に書いた通り、様々なメディアやツールを通して、悲観的な情報が奔流のように日々入ってくる。

「なんかヤバイなぁ。どうしよう・・・」

そうやって、漠然とした不安感ばかり募ることに。

「いったい、何を目指せばいいのだ!?」

と思わず叫びたくなります。

しかしぶっちゃけた話、誰にでも通用する処方箋ってないんですよね・・・
自分の状況に合わせて、自分の力で見つけるしかない。

高度成長期は日本という社会全体が追い風に吹かれていたので、ある意味で周囲と同じことをしていたら、大抵うまくいきました。

でも今は違います。

逆風に吹かれている現在の日本において、今までと同じ行動をしていたら、じりじりと下がることになります。

言い換えるなら、昔は社会全体の潮に流されていたほうが良くて、今は潮に流されていたらマズイわけです。

 

潮に流されないために錨を下ろす。

わかったけど、じゃあどうすりゃええのよ?

先ほど書いたように、誰にでも効く万能薬も、即効性がある特効薬もありません。

ただ、そのまま流されていって今よりも良い結果が得られることは、現実的には期待できないでしょう。

であるならば、自分の時間とお金をいくばくかでも良いので、戦略的に未来への投資に振り分ける必要があります。潮に流されないように錨を下ろすために。

では何に振り分けるのか?

英語や中国語などの語学学習?
海外でも通用する資格の取得?
資産運用などのファイナンシャルリテラシー?

人によるでしょうが、もちろんどれも大事だとは思います。

しかし、その前に必要なのが、

「強烈な動機」を手に入れること

ではないでしょうか。

 




専門的なことは分かりませんが、動機には二種類あると思います。

どうしてもそれを手に入れたい!という「欲望」



これはほんとにまずい!しゃれならん!という「危機感」

いずれか、もしくは両方を持っているのと持っていないのとでは、行動の質も勢いも段違いに変わります。

で、これって二次情報ではほとんど手に入らない。

必要なのは、文字通り「体験」。

例えば。

グローバル化で世界中に中間層が爆発的に増加することによって、先進国と新興国の所得格差が縮まる → 先進国の中間層の所得下がって涙目、みたいな話は毎日のように目にします。

昨年、アジアの国々を廻る機会がありましたが、もう強烈でした。

現地の人、もしくは現地で生活をしている日本人の方と共に動いていたこともあり、かなり密に当地の人達の生活を垣間見たり、交流することができました。多くの人がソーシャルメディアを使いこなし、国によってはスマホもかなり普及。程度は違うにせよ日本人とあまり変わらぬ生活をしている。そして人によっては英語も堪能。でも給料聞いたら日本の1/10。

そら日本人の給料下がるわ・・・、という強烈な危機感。

それまでも知識としては知っていましたが、五感を通した体験がやはり強力で、今でも自分の日々の行動に影響を与え続けています。

そしてこういった動機は、本やブログを読むという「二次情報」レベルでは、まず得られないものだったりします。

 

そない言うても、わし忙しいがな。

分かります。だけど、(少し円安にふれたとはいえ)史上最高レベルの円高、世界最強のパスポート、現在の給与水準が、いつまで続くかは分かりません。

3連休に1日有給つければ、アジアであればほぼどこでも行って帰ってこれます。今ならLCCで行けば、渡航費+滞在費の総額で5万円あればもう充分以上。

観光旅行では意味はありませんが、現地の人と交流し肌感覚で生活を体験する方法はこの時代いくらでもあります。

あなたの旅を何倍も楽しくしてくれるWEBサービス「CouchSurfing」 : 【これまじ!】これ買ってまじ良かったよ!!

もはや通訳いらず?!超絶便利!「LINE」の同時通訳機能 : 【これまじ!】これ買ってまじ良かったよ!!

上記はあくまで新興国の中間層の勃興を体感することに対する一つの提案ですし、また同じ行動を単純に勧めているわけでもありません。人によって何を自らの課題とし、どういう体験を求めるべきかは全然違うでしょう。ただ、何をするにしても体験に根ざした「強烈な動機」がないままに日々を過ごしている限り、多くの人にとって日常の楔から逃れることは難しいと思います。

頭が抜群に良い人は、二次情報を自分なりに咀嚼して、きちんと行動に繋げていけるのでしょうが、私には到底不可能です。

だけど、体験に根ざした「強烈な動機」を持つことで、人の意見やマーケティングに流されず、自分なりの一歩を踏み出せるのでは、と思います。

 

まとめると、

-グローバル化が進む一方で、日本社会の停滞により、個人がどう生きるべきか非常に難しい時代になってきた。
-さらに情報が溢れる現代では、玉石混淆の膨大な情報に翻弄されるケースが多々ある。
– 情報だけで判断、行動するのではなく、まずは自分で体験することを最優先する。それが社会の流れ、情報の流れ、という2つの大きな流れへの錨となるはず。

人の意見や情報に左右されすぎず、文字通り自分の五感を使って体験していきたいですね。しっかりと錨を下ろして、目指す方向を見極めるためにも。

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ちなみにカジケンの会社、絶賛エンジニア募集中です!(笑)